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離婚慰謝料の相場

このページには、次の内容が記載されています。クリックすると該当箇所へジャンプします。

どんな場合に慰謝料を請求できるか?

相手の有責不法な行為により離婚した場合に認められます

   離婚の慰謝料は、どんな場合でも認められるものではありません。

   判例では、「相手方の有責不法な行為によって離婚するの止むなきに至った」場合に認められるとされています(最高裁昭和31年2月21日判決)。

 

   典型例は、不貞行為や身体的暴力で、それが理由で離婚に至った場合です。なお、相手が否定している場合には、証拠が必要になってきます。

   また、相手が内緒でサラ金などに借り入れをしていて、そのせいで離婚に至った場合や、相手が家庭を顧みずに家を出て行って生活費を渡さなかったような場合(悪意の遺棄)にも、慰謝料が認められる可能性があります。

 

   なお、慰謝料は、離婚後に請求することも可能ですが、3年で消滅時効にかかるので、注意をした方がよいでしょう。

 

   不貞行為(浮気・不倫)

   不貞行為とは、男女間の肉体関係のことを言います。単に女性とメールをしているというだけでは、不貞行為には当たりません。

   なお、不倫の相手が、既婚者であることを知って不貞行為をしていた場合には、不倫相手に対しても慰謝料を請求することが可能です。

   暴力・DV

   身体的暴力は、違法行為ですので、慰謝料の対象となります。もっとも、ケンカのように、双方が手を出している場合には、一方にのみ慰謝料とはならない場合もあります。

   いわゆる「言葉の暴力」や、「精神的DV」については、程度問題ではありますが、証拠の確保が難しいことや、性格の不一致の一環とも言えなくはないことから、それ単独で慰謝料を真正面から認めた裁判例はほとんど見当たりません。

   ただし、離婚理由の一つとなったり、他の行為と相まって不法となる可能性がないわけではないので、できる限り証拠化しておいた方がよいでしょう。

慰謝料の額の相場

個別具体的事情により異なります

   離婚慰謝料の金額は、個別具体的事情にもよりますので、一概にいくらという相場が決まっているわけではありません。

   また、弁護士からしますと、担当裁判官によっても若干の幅があると感じることがあります。

 

   ただ、あくまで目安として、大雑把に申し上げますと、浮気や暴力が原因で離婚したということが認められた場合で、150万円~200万円あたりが多いようです。現在の滋賀県内の裁判所(大津・彦根・長浜)では、このあたりが相場という感覚であり、特にここ最近は慰謝料額が低めの判決が出るケースが散見されます。

   滋賀県の草津駅前法律事務所では、離婚慰謝料請求や、不倫相手への慰謝料請求についても多く扱っております。法律相談を受けて頂ければ、あなたのケースについて、個別具体的なアドバイスをさせて頂きます。

慰謝料請求の方法

調停で決まらなければ訴訟となります

   離婚とともに慰謝料を請求する場合には、まず協議ができるのであれば協議の中で慰謝料の請求をし、それが無理であれば家庭裁判所の離婚調停の中で慰謝料の請求・主張をしていくことになります。

 

   ただ、養育費や財産分与は、金額が決まらない場合には、審判と言って、裁判所が簡易に決めてくれる手続がありますが、慰謝料の場合には、調停で決まらなければ、訴訟(裁判)となります。訴訟では、証拠と主張書面をもとに、裁判所が判断することになります。

 

   また、離婚後に請求する場合や、不倫(浮気)相手に請求する場合には、地方裁判所の民事訴訟となります。このような場合、まずは内容証明郵便で慰謝料請求の意思表示を行い、相手が支払ってこなければ訴訟をする、という流れが多いです。

不倫・暴力(DV)の証拠

   相手が、不貞行為や暴力を否定してきたときには、証拠が無いと、慰謝料が認められない可能性が高いです。証拠は、「なる」・「ならない」で考えるのでは無く、「強い」・「弱い」で考えましょう。相手が簡単に反論できる証拠は弱い証拠で、相手が合理的な反論ができない証拠は強い証拠です。

   たとえば、平日の昼間に女性と町中を歩いている写真も、不貞行為の証拠の1つとはなり得ますが、相手から「ただ単に仕事仲間だ」と言われてしまいますので、弱い証拠です。

   他方で、ラブホテルから女性と出てくる写真であれば、反論しにくいので、非常に強い証拠です。相手が「ラブホテルに入っただけで何もしていない」と言っても、合理的な反論とは言えず、通らないでしょう。

   以下に、証拠の一例を示します。ただ、違法に証拠を収集した場合、問題となることもありますので、ご留意ください。あくまで草津駅前法律事務所の弁護士の主観ですが、証拠としての強さを、5段階評価で記載しています。【5】が最も強く、【1】が最も弱い証拠です。

 

  不貞行為(不倫・浮気)の証拠

  • 男女関係(性行為)を窺わせるメールや文書 【4】
  • ラブホテルに車が止まっている写真、GPS追跡など 【5】
  • 使用済みコンドーム、ラブホテルの会員証 【3】
  • 仕事や会社の飲み会と言っていたのに他の場所で異性といた 【2】
  • 異性の家から朝方に出てきた写真等 【4】
  • 無断外泊 【1~2】
  • 携帯の通話履歴・メール履歴に特定の異性とのやりとりがたくさん 【1~2】
  • 携帯を妻に見せない、外に出て電話をするなどの不審な行動 【1】

  暴力の証拠

  • 暴力直後の医師の診断書(暴力によることが書かれているもの) 【5】
  • あざなどがついた写真 【4】
  • 当時から詳細につけていた日記 【2】
  • 暴力直後に親や知人に助けを求めた場合の親や知人の証言 【3】
  • 警察や家庭相談センターへのDVの相談記録 【3】

 

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