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平成20年4月1日より前の婚姻期間にかかる年金分割については、按分割合を当事者間で合意するか、家庭裁判所に決めてもらう必要があります。
裁判所が按分割合を決める場合、原則として0.5(2分の1)となります。では、たとえば結婚期間の大部分を別居していたようなケースであれば、按分割合が修正されることになるのでしょうか?
この点が争われた裁判例として、大阪高裁令和元年8月21日決定があります。
婚姻後約9年間同居した後に別居し、その後別居したまま、婚姻から約44年後に離婚(別居期間約35年)という事案で、原審(大津家裁高島出張所)は按分割合を0.35としましたが、抗告審(大阪高裁)はこれを変更し、按分割合は0.5としました。
決定においては、「婚姻期間44年間中、同居期間は9年間程度に過ぎないものの、夫婦は互いに扶助義務を負っているものであり(民法752条)、このことは、夫婦が別居した場合においても基本的に異なるものではなく、老後のための所得保障についても、夫婦の一方又双方の収入によって、同等に形成されるべきものである」と判示されています。
このような裁判例からすれば、長期間別居していても、年金の按分割合は原則として0.5であると考えられます。
この結論は、長期間別居している場合でも、婚姻費用(生活費)の支払い義務はなくならないとされている考え方と一致していると考えられます。
なお、先ほどの大阪高裁の決定では、「別居期間が長期間に及んだことについて、抗告人に主たる責任があるとまでは認められないことを併せ考慮すれば、別居期間が上記のとおり長期間に及んでいることをしん酌しても、上記特別の事情があるということはできない」と述べられています。したがって、たとえば一方が不貞行為をして不貞相手と一緒になるために別居を強行したというような事情などがある場合には、年金分割の按分割合が修正される余地はあるように思われます。
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