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夫が医療法人の代表理事である場合、夫個人の資産よりもむしろ、医療法人にたくさんの資産がある、というケースもあると思います。このような場合に、医療法人の資産に関して財産分与を請求できるのかについて解説します。
法律上、個人と法人は別とされていますので、離婚の財産分与の際に、医療法人の資産そのものは対象とはなりません。
あくまで、夫個人の財産が財産分与の対象となります。
現在存在する医療法人のうち、多くの医療法人は、出資持分がある医療法人です。そして、個人開業医の場合、多くは理事長(代表理事)がほぼ全ての出資持分を持っていることが多いでしょう。
医療法人自体の資産は財産分与の対象にはなりませんが、代表理事である夫が医療法人の出資持分を有している場合、出資持分は財産分与の対象となります。出資持分の評価については、様々な考え方がありますが、一番簡便な考え方は、【医療法人の資産額-負債額】でしょう。したがって、夫が結婚後に医療法人を設立し、その出資持分全てを持っている場合、妻は出資持分の財産分与を請求することにより、結果として、医療法人のプラス資産に対する財産分与を請求することができます。
たとえば、
・医療法人の資産 2億円
・医療法人の負債 4000万円
・夫の出資持分 100%
の場合、妻が2分の1の財産分与請求権を有しているとすれば、妻は夫に対し、
(2億円-4000万円)×1/2=8000万円
となり、医療法人の出資持ち分に関して、8000万円の財産分与を請求できることになります。
なお、現在、出資持分がない医療法人を設立することも可能となっています。出資持分がない医療法人の場合に、出資に関する財産分与を代表理事である夫に請求できるのかどうかについては、確定的な見解はまだあまりありません。
離婚の財産分与においては、2分の1ルールと言って、基本的には財産は夫と妻で2分の1ずつ分けることになります。
しかしながら、配偶者の一方の特殊な技能や才覚で、一般的な家庭よりも多額の資産を築き上げたような場合には、財産分与の割合が修正されることがあります(福岡高裁昭和44年12月24日判決、大阪高裁平成26年3月13日判決等)。
その典型例が、医師である場合や、社長である場合です。
医療法人に多額の資産があり、出資持分の評価が非常に高額になる場合には、たとえば夫6:妻4というように、財産分与の割合に差が出る可能性はあります。
ただし、常に財産分与の割合に差が出るとは限りませんし、近年では大きな差はつけない傾向があるように思われます。たとえば、妻が事務長として医療法人の運営や発展にも大きく関わってきたようなケースですと、財産分与において大きな差がつかない可能性が高くなると考えられます。
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